法人破産の相談のタイミング

株式会社などの法人の破産について弁護士に相談するタイミングは、個人の破産以上に難しいかもしれません。

経営者は破産という事態にならないようあらゆる手を講じることが多いでしょうし、万策尽きた後に破産の相談を行うという方も少なくありません。

ただ、万策尽きて会社の財産も完全になくなってからの相談となってしまうと、破産手続自体が費用面で難しくなってしまうことがあります。

個人の場合は、破産を決意した後に借入先への返済を止めて、それまで返済に充てていた金銭を破産手続の費用に毎月充てていく、といったことも可能ですが、法人の場合は破産と決まれば事業自体がそこで止まるのが通常です。
すると、破産手続を行うと決めた後に法人財産が増えることは見込めないため、そのときに残っている法人財産をもって法人破産の手続費用を賄わなければならないのです。

法人代表者個人の財産で法人破産の費用を賄うという方法も考えられなくはないですが、法人の破産分は法人の財産で、代表者個人分の破産は代表者個人の財産で手続きを行うのが原則であり、法人から個人、あるいは個人から法人へ資金を融通するのは様々な問題が生じ得ます。

経営を立て直すために最後まで力を尽くすという気持ちはよくわかるところであり、それは決して責められるものではありません。
しかし、他方において、最終的に破産となってしまう場合には一定の資産が残っていないと手続そのものが難しいという事実もあるため、この点は非常に悩ましい問題です。