会社の財産と会社代表者個人の財産

個人経営の会社だったり従業員数名程度の会社だったりすると、会社の財産と代表者個人の財産の境界があいまいであることも珍しくありません。

普通に経営を続けている状況下では、そのようなあいまいな状態でもいいのかもしれませんが、破産などの法的手続きをとるる場合は、法律上会社の財産、会社代表者個人の財産がそれぞれどの範囲なのかを考える必要があります。
例えば、会社と会社代表者がそれぞれ破産手続をとる場合、会社の破産にかかる費用は会社の財産から、代表者の破産にかかる費用は代表者個人の財産から捻出するのが原則になるため、会社と代表者それぞれの財産の範囲をきちんと意識する必要が出てきます。
自分では個人の財産だと考えていても、弁護士(破産管財人)や裁判官が会社の財産だと判断すれば、想定と異なる方向に話が進んでしまうこともあり得ます。

お金の管理を銀行預金によって行っているというケースは多いかと思います。
そして、銀行口座は会社名義、個人名義と作ることができるわけですが、会社名義の口座に入っている以上そのお金は会社の財産と考えるのが原則ですし、逆に個人の口座に入っているお金は個人の財産と考えるのが通常です。

将来的に法的手続きをとることを念頭に経営を行うことは普通ないと思いますが、もし経営に不安を感じ、場合によっては将来法的手続きをとることがあるかもしれないという考えに至ったのであれば、その時点からでも会社の財産と個人の財産の区別を意識しておくとよいかもしれません。