弁護士法人心 東京法律事務所に所属しております,弁護士の田中と申します。
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交通事故による損害賠償金と所得税
先週の水曜日(3月19日)は東京都心で雪が積もりましたが、今日の東京は25度超えの夏日。朝晩の寒暖差は10度以上なので、服装選びに慎重になります。
さて、交通事故により負傷した被害者は、休業を余儀なくされて収入が減少した場合、加害者の保険会社に対して休業損害を請求することができます。
休業損害は失った収入を補うものですが、休業損害を受け取っても、課税されません。
所得税法は、被害者が加害者の保険会社から受け取った損害賠償金(治療費、休業損害、慰謝料等)については、所得税を課さないと定めているからです(同法9条1項18号、所得税施行令30条)。
所得税法は、被害車両が損傷したことによる損害賠償金(修理費等)についても、非課税としています。
ただし、損害を受けた資産が事業用の資産の場合は、非課税とならないケースがあります。
以下は、国税庁のウェブサイトに掲載されている例です。
<商品の配送中の事故で使いものにならなくなった商品について損害賠償金などを受け取ったケース>
棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは、収入金額に代わる性質を持つものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。
<事故により事業用の車両を廃車とする場合で、その車両の損害について損害賠償金などを受け取ったケース>
車両の損害に対する損害賠償金などは非課税となります。
ただし、車両について資産損失の金額を計算する場合は、損失額から損害賠償金などによって補てんされる部分の金額を差し引いて計算します。
なお、この場合、損害賠償金などの金額がその損失額を超えたとしても、全額が非課税となります。