裁判のため横浜地裁に行ったら,入口前には,傍聴席を求める方々の列と報道陣が。
後で,多摩川河川敷で上村遼太君が殺害された事件の裁判員裁判の期日だと知りました。
裁判員裁判が始まって,法廷内での審理方法は,以前とはまったく変わったといえます。
以前は,裁判官と検事と弁護人にしか理解できないようなやり取りが行われ,傍聴人はもちろんのこと,当の被告人でさえ,彼らの言葉を聞き取ることすら難しいような状況でした。
今は,裁判員に審理の方法や量刑の在り方を理解してもらえるように,裁判官も検察も弁護人も,分かりやすい言葉で,はっきりと,説得的に話すように変わりつつあります。
被告人の言い分は,取調べの際に捜査機関が作成した供述調書によるのではなく,法廷で被告人自身に話してもらうという方法がとられるようになっています。
書面による証拠調べをするときは,検事や弁護人が,そこに何が書いてあって,それが犯罪の認定にどのような意味をもつのかについて説明し,裁判員に納得してもらえるよう努めています。
被告人には,憲法によって,公開裁判を受ける権利を保障されています。
裁判員裁判の功罪は議論されているところですが,このような変化に伴い,多数の市民の傍聴にも堪えられるような審理を実現し,ひいては裁判の公開の原則を実質化することにつながりそうです。