「英雄」ポロネーズ

仲道郁代さんのピアノ・リサイタルに行きました。

ショパンのワルツにうっとりしていたところ,ラストの「英雄」ポロネーズが圧巻でした。

この曲は,ショパンが祖国ポーランドを讃えるために書いたもので,戦争に苦しむ故郷の人々を大いに勇気づけたそうです。

ショパンは,20才のときポーランドを離れてウイーン・パリに移り住み,39才の若さで息を引き取るまで祖国に戻ることはありませんでした。

自ら異国に身をおきながら,祖国を愛する気持ちは,消えるどころか募っていったのでしょう。

ポロネーズはポーランド独自のリズムですが,国を超えて,時代を超えて,そして信条を超えて,世界中の人々に訴えかける力をもっています。

芯が強い仲道さんの演奏とあいまって,私も勇気づけられました。