性犯罪に関する刑法が、明治40年の制定以来、約110年ぶりに大幅に改正され、7月13日に施行されました。
1 「強姦罪」から「強制性交等の罪」への変更
改正前は、「女子を姦淫」したことを「強姦」と規定していました。
改正により、男性も被害者に含め、性交類似行為も処罰の対象としました。
2 監護者による性犯罪に関する規定の新設
「監護者わいせつ罪」、「監護者性交等罪」が新設され、18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者や性交等をした者は、暴行又は脅迫を用いない場合であっても、強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様に処罰されます。
3 性犯罪の非親告罪化
親告罪の規定を削除し、被害者の告訴がなくても起訴できるようになりました。
4 性犯罪に関する法定刑の引上げ
強制性交等の罪の法定刑を5年以上(改正前は3年以上)の有期懲役へ、強制性交等致死傷罪、準強制性交等致死傷罪の法定刑を無期又は6年以上(改正前は5年以上)の有期懲役へ引き上げました。
また、強盗犯が強姦をした場合と強姦犯が強盗をした場合の法定刑を無期又は7年以上の有期懲役に統一しました。
かつての強姦罪の処罰対象が質的に変化し、非親告罪とされたことによって、刑事事件の在り方も変化を迫られることになるでしょう。