脊髄損傷による後遺障害

1 脊髄損傷とその症状
 交通事故に遭って脊髄を損傷すると、重い後遺症が残ってしまうことが多いです。脊髄は運動や感覚を制御する神経の中心地であり、ここが傷つくと、麻痺など深刻な症状が現れることがあります。これは、一時的なものから、時には永久的な影響を及ぼすこともあります。例えば、感覚の喪失、運動能力の低下、筋力の減少、首や背中の痛みなどが挙げられます。

2 後遺障害等級とその重要性
 自賠責保険においては、症状の重さに基づいて、1級から14級までの後遺障害等級が設定されています。脊髄損傷に関連する等級は、1級から12級までで7つのカテゴリーがあります。たとえば、1級の場合、裁判基準による後遺障害慰謝料は約2800万円となりますが、12級では約290万円となります。これらの等級は、慰謝料などの賠償金に大きな影響を与えるため、適切な等級の認定が重要です。

3 認定を受けるためのポイント
 適切な後遺障害等級を受けるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

 まず、早期にMRI撮影を行うことが大切です。脊髄損傷は、骨折を伴う場合と伴わない場合があり、骨折がない場合は、MRIでしか損傷を確認できないことが多いです。

 次に、早期の神経学的検査を受けることが重要です。これには、反射テストや徒手筋力テストなどがあります。これらは、脊髄損傷の証明に非常に役立ちます。

 さらに、適切な後遺障害診断書の作成が必要です。診断書に記載されていない症状は、自賠責保険の審査で考慮されないため、症状はしっかり記載することが必要です。

 脊髄損傷はちょっとしたことで賠償金が大きく変わるため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。