顔に残った傷は後遺障害として認められるのか

交通事故に遭われた方の中には,顔や首に傷が残ってしまう方もおられます。

日常的に露出する場所に傷が残ってしまった場合,その傷については,外貌醜状として後遺障害が認定される可能性があります。

 

傷の大きさや,傷の残った場所に応じて,12級14号,9級16号,7級12号の後遺障害が認定されます。

例えば,顔に長さ3センチメートル以上の傷が残ってしまった場合には,「外貌に醜状を残すもの」として,12級14号が認定されます。

顔に長さ5センチメートル以上の傷が残ってしまった場合には,「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として,9級16号が認定されます。

 

外貌醜状として後遺障害が残ってしまった場合,被害者の方には大きな精神的な苦痛が生じますし,仕事にも影響が出る場合もあります。

そのため,相手方保険会社からは,後遺障害の等級に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益が支払われます。

 

もっとも,保険会社はよく「顔に傷があるとしても,それによって仕事に支障は出ない」と主張し,逸失利益の支払いを拒むことがあります。

 

確かに,裁判例の中には,外貌に醜状が残ってしまった場合の逸失利益を否定したものもあります。

 

しかし,営業,接客業等,人と接する仕事をしている場合には,外貌醜状が仕事に影響を与える可能性は否定できません。

また,逸失利益が認められない場合であっても,逸失利益部分を慰謝料に加味して判断した裁判例も多数あります。

そのため,保険会社が逸失利益の支払いを拒んでも,諦めるは早いです。

 

外貌醜状でお困りの方は,弁護士にぜひご相談ください。

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自動車保険にはどのようなものがあるか

自動車保険には,大きく分けて自賠責保険と任意保険の2種類があります。

 

自賠責保険は,全てのドライバーに法律上加入が強制されています。

自賠責保険は交通事故被害者の最低限の補償を確保することを目的としているため,その適用範囲は人身事故に限定されますし,支払われる補償金の限度額も決まっています。

 

これに対して,任意保険は,ドライバーが加入するかどうかを自由に決めることができます。

任意保険は自賠責保険では補償しきれない損害を填補することを目的としているため,人身事故だけでなく物件事故にも適用されることが多いですし,支払われる補償金の限度額も決まっていない場合も多いです。

 

任意保険には,大きく分けて7種類の保険があります。

⑴対人賠償責任保険

対人賠償責任保険とは,交通事故で被害者に怪我を負わせてしまった場合や,被害者を死亡させてしまった場合に,自賠責保険では補償しきれない賠償金を填補するための保険です。

⑵自損事故保険

単独事故や相手方の過失がない交通事故といった,運転者自身の責任で起きた事故によって運転者が怪我や死亡をしてしまった場合に支払われる保険です。

⑶搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険とは,保険の対象となっている自動車に搭乗中の人が怪我を負った場合や,死亡してしまった場合に支払われる保険です。

⑷無保険車傷害保険

無保険車傷害保険とは,事故の相手方が自賠責保険や任意保険に加入しておらず,被害者が十分な補償を受けることができない場合に支払われる保険です。

⑸人身傷害補償保険

人身傷害補償保険とは,交通事故によって怪我を負った場合や死亡してしまった場合に支払われる保険です。交通事故によって怪我を負った場合には,通常,加害者の加入する保険会社から賠償金を受け取ります。その賠償金は,通常であれば示談が成立しなければ受け取ることができません。しかし,人身傷害補償保険は示談成立前であっても受け取ることができるため,人身傷害補償保険には,早期に賠償金を受け取ることができるというメリットがあります。

⑹対物賠償責任保険

対物賠償責任保険とは,交通事故によって他人の財産に損害を与えてしまった場合,その損害を填補するために支払われる保険です。

⑺車両保険

車両保険とは,交通事故によって保険の対象となっている車両が損害を被った場合,その損害を填補するために支払われる保険です。

 

このように,任意保険には様々な種類があるので,内容がよく分からない方も多いと思います。

交通事故でお困りの方は,弁護士までお気軽にご相談ください。

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弁護士費用特約とは何か

交通事故の被害に遭われてしまった場合,被害者の方の多くは,加害者に対してどのように損害賠償請求をすればいいのか分かりません。

弁護士に相談しようとしても,相談料などが掛かるため,相談を躊躇してしまう方も多くおられます。

 

そのような被害者の方を救済するため,最近は自動車保険に弁護士費用特約が付帯されることが多くなりました。

弁護士費用特約とは,自動車保険等に付帯される特約であって,加害者に損害賠償を求めるために弁護士に相談・依頼したときに発生する費用を賄うものをいいます。

つまり,弁護士費用特約に加入していれば,弁護士費用等は,ご自身の任意保険が弁護士に支払ってくれます。

 

弁護士費用特約の内容については,各保険会社により違いはありますが,おおむね1回の事故で被害者1人につき300万円までの弁護士費用であれば,保険会社から支払いがなされます。

このように,弁護士費用特約は,かなり高額な弁護士費用までカバーしています。

 

また,弁護士費用を使ったとしても,翌年の保険料が上がることはありません。

 

そのため,交通事故に遭われてしまい,弁護士に相談するかどうかをお悩みの方は,弁護士費用特約に加入しているかどうかをご確認いただくことをお勧めします。

 

交通事故でお困りごとがございましたら,お気軽にご相談ください。

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症状固定後の治療費は認められるのか

もうこれ以上通院をしても治療の効果がない状態のことを,症状固定といいます。

頚椎捻挫や腰椎捻挫といった,いわゆるむちうちの場合には,事故から約3か月~6か月通院しても完治しないと,医師に症状固定と判断されることが多いです。

症状固定後に通院治療したとしても,その治療費は,損害賠償の対象にならないのが原則です。

 

 

しかし,症状の悪化防止のため等,現在の症状を維持するために必要かつ相当な治療費については,症状固定後であっても,例外的に損害賠償の対象になるとされています。

 

例えば,第5腰椎圧迫骨折変形治癒,排尿障害等で併合7級の後遺障害を負った主婦について,症状固定後も生存期間にわたって通院治療が必要であるとして,平均余命まで1か月当たり3万円の治療費及び交通費を認めた裁判例があります(大阪地判平12・8・29)。

 

また,てんかん症状等で9級の後遺障害を負った被害者について,てんかんの予防等のためには脳波測定やMRI検査が必要であるとして,平均余命まで24年間の治療費として289万円を認めた裁判例もあります(東京地判平7・10・31)。

 

もっとも,症状固定後の治療費については,あくまで例外的に損害賠償の対象とされるので,裁判でも認められにくいというのが現状です。

 

症状固定後の治療費についてお困りごとがございましたら,お気軽に弁護士にご相談ください。

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自動車の買替諸費用は請求できるのか

交通事故に遭って壊れた自動車を買い替える場合,その買替諸費用は,相手方に請求できるのでしょうか。

 

交通事故に遭って自動車が壊れた場合,原則として,その修理費を相手方に請求することができます。

 

しかし,自動車の修理が物理的に不可能である場合(物理的全損)や,事故当時の自動車の市場価格に買替費用を足した金額が修理費を下回る場合(経済的全損)には,事故当時の時価と買替費用の合計額に限って,相手方に請求することができます。

 

例えば,交通事故に遭って自動車が壊れ,その修理に50万円掛かるけれども,その自動車の時価と買替諸費用の合計額が30万円の場合には,相手方には30万円しか請求することができません。

 

また,買替諸費用のすべてを請求できるかというと,そうではありません。

 

損害賠償の対象となる買替費用は,①自動車登録番号変更費用,②車庫証明費用,③検査登録法定費用,④車庫証明法定費用,⑤納車費用,⑥検査登録手続代行費用,⑦車庫証明手続代行費用,⑧リサイクル預託金とされています。

 

自動車税,自賠責保険料,増加保険料,希望ナンバー代行費用については,損害賠償の対象とされてはいません。

 

買替諸費用についてお困りのことがございましたら,お気軽に当法人までご相談ください。

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将来の治療費についても賠償を受けることができるのか

交通事故に遭ってしまった場合,病院でかかった治療費は相手方保険会社に請求することができます。

損害賠償の対象となる治療費は,症状固定日までの治療費が原則です。

しかし,例外的に症状固定日以降に支出する将来の治療費も,損害賠償の対象となる場合があります。

 

例えば,第5腰椎圧迫骨折変形治癒,排尿障害等で併合7級の後遺障害を負った主婦について,症状固定後も生存期間にわたって通院治療が必要であるとして,平均余命まで1か月当たり3万円の治療費及び交通費を認めた裁判例があります(大阪地判平12・8・29)。

 

また,てんかん症状等で9級の後遺障害を負った被害者について,てんかんの予防等のためには脳波測定やMRI検査が必要であるとして,平均余命まで24年間の治療費として289万円を認めた裁判例もあります(東京地判平7・10・31)。

 

このように,将来の治療費を認める裁判例はありますが,損害賠償の対象となる治療費は症状固定前までというのが原則ですので,将来の治療費については裁判でも認められにくいというのが現状です。

保険会社も示談交渉の段階では支払いに応じないことが多いです。

 

将来の治療費についてお困りごとがございましたら,お気軽に弁護士にご相談ください。

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病院の個室料も賠償されるのか

交通事故に遭ってケガをしてしまった場合,入院をして,個室を利用することがあります。

大部屋を利用する場合と異なり,個室を利用すると,別途個室利用料が発生します。

病院の個室料については,個室を利用することの必要性・相当性が認められれば,損害賠償の対象となります。

必要性・相当性の有無は,それぞれの事案によって個別具体的に判断されます。

 

一般的に,事故によって患者の免疫力が低下し,個室を利用しなければ感染症に罹患するおそれのある場合や,症状が重篤であって常時監視を必要とするような場合には,必要性・相当性の認められることが多いです。

また,病院の大部屋に空きがなく,個室しか利用できないような場合にも,必要性・相当性が認められることが多いです。

 

個室料の支払いについては,相手方保険会社は必要性・相当性がないとして拒否する場合が多いです。

そのような場合には,病院の主治医に個室利用の必要がある旨の回答書を書いてもらうなどして,個室を利用することの必要性・相当性を立証することとなります。

 

個室料の支払いを巡っては,相手方保険会社とトラブルになることが多いです。

お困りごとがございましたら,弁護士に相談してみるのが良いかと思います。

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通院交通費は補償されるのか

交通事故により通院をした場合,通院に掛かった交通費を相手方保険会社に請求することができます。

 

⑴自家用車を利用した場合

自家用車で通院をした場合,1キロメートルあたり15円のガソリン代を請求することができます。

また,有料駐車場や高速道路を利用した場合も,実費を請求することができます。

この場合には,相手方保険会社から領収書の提出を求められるので,領収書は大切に保管しましょう。

 

⑵バス,電車などの公共交通機関を利用した場合

バス,電車などの公共交通機関を利用して通院した場合,実費を請求することができます。

領収書の提出は必要ありませんが,どのような経路で通院をしたのかをメモしておくと良いでしょう。

 

⑶タクシーを利用した場合

タクシーを利用して通院した場合であっても,実費を請求することができます。

しかし,タクシー代の支払いが認められるためには,例えば足を骨折してバスの乗り降りができないなど,タクシーを利用する必要性・相当性が必要です。

ケガが軽微で歩行に支障がないとか,バスや電車で通院できるような場合には,タクシー代の支払いは認められません。

相手方保険会社と後々トラブルにならないよう,タクシーを利用する前にはその担当者に確認した方が良いでしょう。

タクシー代を巡っては保険会社とトラブルになり易いので,お困りになったら弁護士に相談してみてください。

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治療費の支払いは誰がするのか

交通事故で病院に行った場合,その治療費は誰が負担するのでしょうか。

一般的には,加害者の加入する任意保険会社が,直接,病院に治療費を支払ってくれます。

そのため,まずは加害者の加入する任意保険会社の担当者に連絡をして,「◯◯病院に通うので,病院に治療費を支払って欲しい。」と相談してみるのが良いでしょう。

ただ,病院によっては,任意保険会社による治療費の支払いを認めないところもあります。
また,被害者側の過失割合が大きい場合には,保険会社が治療費を病院に支払うことを拒否することもあります。

そのような場合には,被害者の方が一旦病院の窓口で治療費を支払わなければなりません
後日,その領収書を加害者の加入する任意保険会社に郵送し,治療費の支払いを求めることになります。

なお,加害者の加入する任意保険会社が治療費を支払ってくれない場合であっても,被害者の方が人身傷害保険に加入していれば,その保険から治療費等が支払われる可能性があります。

加害者の加入する任意保険会社が治療費を支払ってくれないときには,ご自身の加入する保険を確認するのが良いでしょう。

交通事故による治療費の支払いを巡って,保険会社とトラブルになることは多いです。
ご自身では対応が難しいと感じたら,弁護士に相談することをお勧めします。

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ドライブレコーダー

今年6月に東名高速道路で発生した夫婦の死亡事故について,夫婦の車を追い越し車線に停車させたとして容疑者が逮捕されました。

逮捕の決め手は,ドライブレコーダーの映像とのことです。

弁護士として交通事故案件を扱っている私としては,車にドライブレコーダーを付けるに越したことはないと常々思っているのですが,この逮捕を知り,その思いをより強くしました。

ゴールデンウィーク

先週末からゴールデンウィークですね。

5月の1,2日を休めば,最大9連休となるようです。

実家に帰るという方の中には,自動車で長距離運転をする方も多いと思いますので,交通事故にはお気を付けください。

なお,東京駅法律事務所は1,2日も通常営業しているので,お気軽にご連絡をいただければと思います。

自賠責保険の値下げ

2017年4月から自賠責保険の保険料が下がることとなりました。

値下げの理由は,人身事故が減り,自賠責保険の利用も減ったことにあるとのことです。

日頃,交通事故の怪我で苦しむ被害者の方と接することが多いため,

人身事故が減って嬉しく思います。

交通事故部会

今日は,名古屋本部での交通事故部会に参加してきました。

名古屋の弁護士と話をすると,東京の裁判官の判断は名古屋の裁判官の判断に比べて被害者に厳しい傾向にあるな,と感じます。

東京の裁判官をしっかり説得できるよう,もっと精進しようと思いました。

医師との面談

今日は,交通事故の案件に関して,医師と面談をしてきました。

交通事故の案件をスムーズに解決するためには,医師との連携が不可欠です。

毎回,有益な情報もいただけるので,勉強にもなります。

交通事故研修

本日は,テレビ会議システムを使って,交通事故の研修,弁護士会議を行いました。

交通事故の研修では,交通事故に関する裁判所の動向等について,当法人の他の弁護士と情報交換をすることができるので,とても勉強になります。

名古屋出張

昨日は,当法人の名古屋本部において,交通事故の研修を受け,その後,弁護士会議に出席してきました。

今回も,研修や弁護士会議で有意義な情報を得ることができたので,名古屋まで出張した甲斐がありました。