麻痺が残った場合に認められる後遺障害②


 麻痺が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級は7つあります。

 1つ目は、自賠法施行令別表第一・第1級1号です。これは「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要する」場合に認定されます。具体的には、①高度の四肢麻痺が認められるもの、②高度の対麻痺が認められるもの、③中程度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの、④中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するものがこれに該当します。

 2つ目は、自賠法施行令別表第一・第2級1号です。これは「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,随時介護を要する」場合に認定されます。具体的には、①中等度の四肢麻痺が認められるもの、②軽度の四肢麻痺であって,食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの、③中等度の対麻痺であって,食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するものがこれに該当します。

 3つ目は、自賠法施行令別表第2・第3級3号です。これは「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができない」場合に認定されます。具体的には、①軽度の四肢麻痺が認められるものであって,食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要しないもの、②中等度の対麻痺であって,食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要しないものがこれに該当します。

 4つ目は、自賠法施行令別表第二・第5級2号です。これは「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができない」場合に認定されます。具体的には、①軽度の対麻痺、②一下肢の高度の単麻痺がこれに該当します。

 5つ目は、自賠法施行令別表第2・第7級4号です。これは「神経系統の機能または精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの。一応労働することはできるが,労働能力に支障が生じ,軽易な労務にしか服することができない」場合に認定されます。具体的には、一下肢の中等度の単麻痺がこれに該当します。

 6つ目は、自賠法施行令別表第二・第9級10号です。これは「神経系統の機能または精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの。通常の労働を行うことはできるが,就労可能な職種が相当程度に制限される」場合に認定されます。 具体的には、一下肢の軽度の単麻痺がこれに該当します。

 7つ目は、自賠法施行令別表第二・第12級13号です。これは「局部に頑固な神経症状を残す」場合に認定されます。具体的には、①運動性,支持性,巧緻性および速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの、②運動障害は認められないものの,広範囲にわたる感覚障害が認められるものがこれに該当します。

 このように、麻痺が残った場合に認定され得る後遺障害等級には幅があります。後遺障害等級によって賠償金は大きく変わりますので、早いタイミングで弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。