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過払い金返還請求をするとローンが組めなくなりますか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年8月23日

1 完済しているかどうか

過払い金返還請求をすることで今後ローンを組む際に影響が生じるかという問題ですが、影響する場合としない場合とがありますので、場合分けをして考える必要があります。

まず、すでに完済していて、ショッピング枠も含めて残債務が残っていない会社に対する過払い金返還請求については、債務が残っていない以上“債務整理”とはならず、信用情報の問題が生じません。

したがって、過払い金返還請求をしたとしても信用情報機関に登録されることはなく、これによってローンを組めなくなることはないはずです。

2 支払いが残っている場合

支払いが残っている状態で過払い金返還請求を行うと、“債務整理”となり、信用情報機関に登録されてしまうことがあります。

過払い金返還請求を行い、残っていると思われた借金が全部消えた場合、または借金が消えたうえで過払い金としてお金が戻ってきた場合については、過払い金返還請求をした時点で本来借金は残っていなかったはずだということになるので、信用情報機関に登録されることはないです。

他方で、過払い金返還請求を行っても借金がなくなるまではいかず、いくらか残ってしまったという場合には、“債務整理”を行ったものとして扱われてしまい、信用情報機関へ登録されることになります。

そのため、この場合は過払い金返還請求の請求先の会社だけでなく、他社のローンを組もうとしても信用情報の問題で組めない可能性があります。

3 完済した後に請求するべきか

以上の通り、信用情報の問題を気にするのであれば、完済した後に過払い金返還請求を行うのが無難です。

前述の通り、過払い金返還請求により借金がなくなる場合は、最終的に信用情報機関に登録されることはないのですが、借金がなくなるかどうかを実際に請求する前に判断することは必ずしも容易ではないので、やはり完済後の方が安全でしょう。

ただし、完済した後の請求だと時効にかかってしまうかもしれない、という場面もあり得ますので、いずれにしてもまず弁護士に相談して方針を決めるのが望ましいでしょう。

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