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個人再生の履行テストとはどういったものですか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2022年6月21日

1 個人再生は返済の見込みがなければ手続ができない

個人再生は、現在残っている債務を大幅に減らす手続ですが、その減らした債務をあくまでも返済していく手続となります。

したがって、将来的に返済の見込みが立つようでなければ、裁判所としても認可することはできません。

そして、返済の見込みが立つかどうかの確認のために行われるのが、履行テストということになります。

2 履行テストの具体的な流れ

履行テストは、裁判所に申立てを行った後、再生計画が認可された場合に毎月支払っていくことになる予定の金額を、毎月積み立てることで行います。

東京地裁に申立てを行う場合は、必ず個人再生委員が選任されることになるため、個人再生委員の指定する口座に宛てて振り込む形で積み立てを行います。

きちんと毎月積み立てを行えば、積み立てがなされたということが再生委員から裁判所に報告されるため、それにより将来の履行可能性については問題がないと判断されることになります。

3 履行テストを行う期間

履行テストは、個人再生の手続の進行と同時並行で行われます。

個人再生手続は、開始決定からおおむね4か月程度で認可決定に至りますので、履行テストを行う期間も3~4か月ということになります。

もし何らかの理由で履行テストをスムーズに行うことができなかったような場合には、履行可能性を慎重に判断するために履行テストの期間が延長されるということもあり得ます。

4 履行テストで支払うことになる金額

履行テストで毎月積み立てる金額は、先述のとおり再生計画が認可された場合に予想される毎月の返済額です。

申立ての時点で見込みの金額を算出して積み立てていくことになりますが、その後返済すべき見込額が増加した場合などは、それ以降積み立てる金額を増やすことになります。

5 履行テストで積み立てた金額はどうなるか

個人再生委員の口座に積み立てた金額については、基本的に15万円が個人再生委員の報酬となり、それを差し引いた残額については最終的に返金されます。

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