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物損事故と人身事故の違いに関するQ&A

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年8月18日

物損事故とは何ですか?

物損事故とは、交通事故により、人が死傷することなく、車や着衣等、物に関する損害のみが発生した事故をいいます。

人身事故とは何ですか?

人身事故とは、交通事故により、人が死亡したり、傷害を負い、治療費、逸失利益、慰謝料等、人身に関する損害が発生した事故をいいます。

物損事故により、どのような損害が発生しますか?

車、バイク、自転車等、車両の損害が発生します。

車両の損害額は、修理費または買替差額(事故時の時価相当額と売却代金の差額)です。

修理費が車両の時価額に買替諸費用を加えた金額を上回る場合、経済的全損となり、買替差額が損害額となります。

レッカー費用、代車使用料、評価損、休車損、トラックの積み荷等、車両に積載していた物に関する損害、スマホ等、携行品に関する損害、ヘルメットや着衣に関する損害等が発生することもあります。

人身事故により、どのような損害が発生しますか?

負傷した場合は、治療費、付添費用、入院雑費、通院交通費、休業損害等が発生します。

後遺障害が残った場合は、後遺症による逸失利益、後遺障害慰謝料等が発生します。

死亡した場合は、死亡による逸失利益、死亡慰謝料等が発生します。

物損事故と人身事故は、どのような保険を使うことができますか?

物損事故は、人身事故のみを対象とする自賠責保険が適用されません。

そのため、物損事故の被害者は、加害者が加入する任意保険会社(対人賠償責任保険)に対して賠償請求します。

被害者が加入する任意保険の車両保険を利用することもあります。

人身事故の被害者は、加害者が加入する任意保険会社に対して賠償請求し得る他、自賠責保険会社に対して被害者請求することもできます。

被害者が加入する任意保険の人身傷害保険を利用することもあります。

物損事故と人身事故の損害賠償請求権の時効期間に違いはありますか?

人身事故による人的損害賠償請求権は、事故日から5年間、後遺障害が残った場合は症状固定日から5年間で消滅時効が完成します。

物損事故による物的損害賠償請求権は、事故日から3年間で消滅時効が完成します。

そのため、同じ事故によって物的損害と人的損害のいずれも発生した場合、物的損害賠償請求権が人的損害賠償請求権より先に時効が完成することに注意しなければなりません。

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