任意整理をしたことが会社に知られることはありますか？

任意整理をはじめとする債務整理を検討している方が特に気にすることのひとつに、「会社に知られないだろうか」ということがあるかと思います。

一言でいえば、任意整理の事実を会社に知られてしまうケースは限定的ですので、必要以上に心配することはありません。

ただ、どのようなケースでも知られることはない、というわけではないことに注意が必要です。

以下では、会社に知られる可能性がある場合についてご説明します。

任意整理は、今後の返済について借入先と直接交渉する手続きです。

したがって、その交渉相手以外に任意整理の事実が知られることは基本的にありません。

また、裁判所を利用する法的手続きと異なり、一部の借入先だけを対象として手続きを行うことができます。

もし勤務先の会社から借入れをしていて、それについて任意整理をするということであれば、会社に任意整理の事実を知られることになりますが、会社から借入れをしていても、その借入れについては任意整理の対象外とすることで、会社に任意整理の事実を知られることを防ぐことができます。

勤務先が貸金業者である場合なども同様で、当該会社を対象外とした上で任意整理を行えば、会社に知られることを防ぐことが可能です。

勤務先の上司や社長などに保証人となってもらった上で借入れをしているケースがあります。

その借入先に対して任意整理を行おうとすると、借入先としては満額の回収を図りたいと考えるのが通常ですから、債務者の代わりに保証人に対して請求を行うと考えられます。

ですので、もし会社関係者に保証人になってもらっている借入先がある場合は、それについても任意整理の対象外とすべきでしょう。

これは任意整理をしたからという話ではないのですが、任意整理をする前後に関わらず、返済が滞り続けてしまうと裁判を起こされ、判決等が出ることで債権者が強制的な回収を行えるようになってしまいます。

強制的な回収方法で一番に挙げられるのが、給与の差押えです。

給与を差し押さえる場合、給与を払う会社に対して差押えを行う旨の連絡がなされますので、当然会社に知られることになってしまいます。

そのため、差押えを受けるような事態を防ぐためにも、債務のお悩みは早めに弁護士に相談することが大切です。