任意整理の交渉で有利になる事情はありますか?
1 任意整理の交渉はどのようにして行うのか
任意整理では、将来利息のカットや長期分割払いの交渉を行うのが通常です。
これは、まずはこちらが希望する支払い方法を相手の会社に伝え、それに対して相手の会社が回答するという形で交渉がスタートすることが多いです。
こちらの希望がすんなり通れば特に交渉を行うこともないのですが、双方の意向にずれがある場合には具体的な交渉が行われます。
もっとも貸金業者には、任意整理の要望に対してどのように対応するかについて、ある程度会社のマニュアルのようなものが存在しています。
そのため、どのような条件で任意整理がまとまるかの大枠は、会社ごとにある程度決まってしまうことが少なくありません。
交渉によって動かすことができるのは、その大枠の中での条件の部分となることが多いです。
2 収支の状況で説得する
収入と支出の詳細な内訳を示し、「どうしても月々返済に回せる金額が〇万円しかない」と主張していく方法です。
支出に浪費といえるようなものが無く、説得的な内容であれば、相手の会社もある程度条件を緩和してくれることがあります。
なお、配偶者が家計の財布を握っているために自分の小遣いが少ないという場合、それは家庭内の事情であって、返済に回せる金額が少なくなってしまうことの理由にはなりませんので注意が必要です。
3 将来的に返済額を増やす旨の主張
他社の返済が終わった後はその分毎月の返済額を増やすことができるという主張や、退職金など将来確定的な収入がある時、あるいは収入の増加が見込める時、将来的に月々の返済額を増やすという交渉は有効となることがあります。
4 頭金を入れる旨の主張
ある程度まとまった金額を頭金として入金する代わりに、以後の月々の返済額をできるだけ下げてもらうよう交渉する方法で、これも有効であることがあります。
5 予期せぬ収入の低下は交渉材料になるか
任意整理することになった理由が、例えば急に契約を打ち切られて仕事がなくなってしまった場合など、予見することができず、なおかつその人の責任とは言いにくいような場合、相手の会社も事情を理解してくれるのではないかという質問を受けることがあります。
もちろん、ギャンブル等によって借金が返せなくなった場合と比較すれば、心証は良いかと思いますが、かといって任意整理の条件をよくするための交渉材料になるかというとその点はあまり期待できないかと思います。
次の仕事が見つかるまで返済開始を少し先延ばしにする等の交渉はできるかもしれませんが、あくまで今後どのような収支状況になるのかが大切だということになります。
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