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交通事故でけがをしたときの慰謝料の算定方法

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年9月13日

1 慰謝料の算定方法は2つあります

交通事故でけがをした場合、治療期間に応じて慰謝料が発生します。

その算定方法について、通院日数を前提に計算する自動車賠償責任保険の算定方法と、日数ではなく期間に応じて計算する裁判での算定方法の2つがあります。

具体的には、以下のとおりとなります。

2 自動車賠償責任保険の算定方法

通院1日当たりの算定の基礎となる金額を4300円とし、これに事故発生日から治療終了日までの日数を乗じた金額と、合計通院日数の2倍を乗じた金額を比較し、低額なほうを慰謝料とする方法です。

通院日数を前提とするため、通院日数が多いほど、金額も増えることになります。

ただし、自動車賠償責任保険における、けがに対する保険金の上限は120万円とされており、この中には、慰謝料の他に、治療費や通院のための交通費、休業損害などが含まれます。

このため、慰謝料が満額支払われるとは限りません。

例えば、通院期間が40日であり、事故日から治療終了までの期間が4か月(120日程度)であれば、自動車賠償責任保険の算定方法による慰謝料額は、4300円×40日×2=34万4000円となります。

しかし、治療費などですでに100万円が自動車賠償責任保険より支払われていたのであれば、同保険より慰謝料として支払われるのは20万円にとどまることになります。

3 裁判における算定方法

裁判における算定方法では、期間に応じて算定されます。

例えば、頸椎捻挫で半年の通院をした場合、裁判での慰謝料の基準額は89万円となり(ただし、事案や個別の裁判所の判断によって異なる場合があります。)、裁判に至らずに示談で終了した場合は、その8割程度の金額が慰謝料として算定されることが多いとされています。

一般的には、自動車賠償責任保険の算定方法による慰謝料額よりも、裁判での慰謝料額のほうが高くなる傾向にあります。

しかし、まれに、自動車賠償責任保険の慰謝料のほうが高くなることがあります。

通院日数が多い場合のほかに、被害者に過失がある場合です。

過失割合の決め方については、こちらをご覧ください。

過失がある場合について、例えば、被害者の過失割合が5割である場合、被害者は、損害額合計の50%としか、事故の相手方に請求できません。

慰謝料についても基準の50%となるため、大きく減少してしまいます。

裁判の場合、被害者に過失がある場合にはその割合に応じて減額されることになっています。

これに対し、自動車賠償責任保険の場合は、被害者の過失割合が7割未満であれば過失による減額されないため、裁判での基準を上回ることがあります。

4 交通事故の慰謝料について弁護士に相談

慰謝料の算定や過失割合の認定に当たっては、事故の態様や、その後の治療経過が影響する場合があり、これについて検討する必要があります。

交通事故に詳しくないと適切な判断をすることができませんし、「このケースではこの金額の慰謝料が妥当だ」などの判断をすることも難しいかと思います。

交通事故で適切な慰謝料を獲得するためにも、まずは交通事故を得意とする弁護士にご相談ください。

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