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おまとめローンと任意整理にはどのような違いがあるか

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年7月20日

1 月々の返済が苦しくなってきたときの対処方法

借金問題を解決するための方法として、専門家である弁護士に依頼して任意整理を行う方法のほか、債務を一本化するおまとめローンの利用を検討している方も多いです。

2 おまとめローンの利点

おまとめローンを利用すれば、それまで複数の会社に対して返済していたものが一本化されるため、まず返済の手間が省けるかもしれません。

振込で返済されている場合は、振込手数料の面でも多少メリットがあると思います。

ローンの商品にもよるとは思いますが、元の借入れよりも低金利で、月々の返済額もこれまでより低くて済むということが多いようです。

また、任意整理との対比でいえば、信用情報に登録されないで済むため、以後もカードの利用が可能というのが大きなポイントといえるかと思います。

3 おまとめローンの注意点

おまとめローンを利用することで毎月の返済額は下がるかもしれませんが、逆に言えばそれだけ毎月の元金返済額が減っている可能性があります。

ほとんど利息しか支払っていないとなると、毎月の返済はできるようになったとしても、完済までの道のりはこれまで以上に長くなります。

そのため、以後収入が増える見込みがあるなど、手元の資金が増える目途が立たなければ、その場しのぎにしかならないおそれがあります。

4 任意整理の利点

任意整理を行うと、おまとめローンと同様に月々の返済額を下げられる可能性が高いということがまずメリットとして挙げられます。

そして、何より将来利息をカットしてもらえることが多いというのが任意整理の非常に大きなメリットです。

今後の利息が発生しない以上、毎月の返済額が減る上に、毎月の返済額すべてが元金の返済に充てられるということですので、完済までの期間はおまとめローンと比べてはるかに短くなりますし、おまとめローンで完済までに支払うことになるトータルの金額と比べると、総返済額も少なくて済みます。

5 最初から任意整理を選ぶべき

おまとめローンに切り替えた後で“やはり任意整理にしよう”と方針変更した場合、当初から任意整理を選んでいた場合と比べて厳しい条件になる可能性があります。

それというのも、おまとめローンを組んだ会社に対しての返済期間が短いと、相手としてもほとんど売り上げにつながっていないわけですから、任意整理のお願いをしても、将来利息をカットしてくれなかったり、短期間での分割払いにしか応じてくれなかったりという可能性があるためです。

この点からも、完済までのビジョンが見えていないのであれば、おまとめローンを利用するのはリスクがあり、最初から任意整理を選ぶほうが良いといえるでしょう。

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